龍皇女婚譚

サラギ城の召使い達が「嵐…」「大恐慌…!」と騒ぎ逃げ惑うのをことごとく無視しサラギ城の廊下を蹴るように足早に進む。
悔しいっ悔しいっ悔しいっ悔しいっ!!
蹴り破られそうになる扉をシラクとラティが慌てて開け放つ中を璃緒はずかずかと進んで行く。
ぱっぱとドレスのリボンを解き脱ぎ始める璃緒に悲鳴を上げながら、シラクは人払いをし厳重に戸締まりをし、ラティは衣装ダンスから着替えを一抱え運んで来た。
「姫様ったら…もう!はしたないっ」
「…はしたない……?」
ユラリと振り返る璃緒に二人は嫌な予感を感じ取り、ひいっと小さく叫び抱き締めあう。
「はしたない!そうよどうせ私ははしたないわよっ王女として未熟よっ弱いわよっ悔し――い!!」
「ひぇっ姫様っはしたなくないですから…言葉のあやです…っ」
「そうですそうです。ひ、姫様落ち着いて…」
慌てて宥める二人を背に璃緒はぎゃんぎゃんと喚き続けた。
「落ち着けぇ!?これが落ち着いていられますか!あんな…あんなクセの強い馬鹿がいるとは思わなかった!えぇパーティーは上手くいったわよ楽しんで頂いたわよあの二人のおかげでね……!……あぁ思い出しても腹が煮えくり返る…っ」
ドレスを脱ぎ捨てながら思い出し、苦虫を誤って食べたような苦い表情を浮かべる。
あの後もレノ大使と犀生皇子にパーティー会場は掻き回された。レノ大使の恥ずかしい程の饒舌ぶりに皆崩れそうになり、犀生皇子のだめ押し変態ギリギリ発言に笑えば良いのか赤面すれば良いのか、悔しい事に私は受け流し方が分からなかった。更に私が主導権を得ようとする度、彼らはタイミング良く私の行動を抑えてきた。
…まさかもう裏で繋がってるって事は…無いわよね…?
むしろ牽制しあってたというか、私で力比べしていた…ような。
「どちらにしても不快な事に変わりはないわね」
ああいうタイプは初めて。自由と言うか確固とした自分を持っていると言うのか。
ラティの腕から軽い部屋着を取り身に纏いながらむぅ、と頬を膨らませる。
ん〜何て言うのかしら?自由な人や自己の強い人はグラシアにもたくさんいたのだけど……。
考える内に、璃緒はふと答えに思い当たった。
あぁそうか…あれは―――…。
「ラティ…夕食までまだ時間あるわよね?」
璃緒の質問に、太陽を見て時間を確かめたラティが頷くのを見て、璃緒は満足気に微笑み舌を舐めるとショールを羽織り、踵を高く鳴らしながら扉へと向かう。
なめられて負け続けるのは性に合わないわ。私は龍の血族。誇りを汚されて大人しく黙ってたりはしないって事、教えてあげる。
「姫様…どちらへ?」
「あら…夕食まで殿方をほっとく訳にはいかないでしょう。」
璃緒は不審そうな二人に
「決まってるわ!先手必勝っこちらから乗り込みますわっ!」
胸を張り高らかに宣言した。
―――…あれは、私を全く見てない眼だわ…。
王女としての価値だけを計ってる…そんな眼。


「う……ん」
柔らかな薔薇と蝋の匂いに鼻孔を擽られ、瑯はゆっくりと目蓋を開けた。
まだぼんやりと霞む視界を何度か瞬きをして慣らす。
徐々にはっきりしてくる視界に映るのは大量のぬいぐるみ。大小様々なぬいぐるみの山に瑯は埋もれていた。
「あ――…うん。そう、そうか」
分からない事があると、人ってとりあえずうなずいとくもんなんだな…。
頷き、妙に納得しながら止まっていた頭をフル稼動させ何があったかを思い出す。
そう…俺はあそこに探りに入って…秘宝を知りたくて…見つかって逃げて…それで―――…
「捕まった…のか?」
それにしてはファンシーな牢だと思うけど。
現状を確認しようとぬいぐるみの山から這い出た先は、レースとフリルのふんだんに使われたカーテンに、ふわふわのピンクのカーペット、真っ白に金で装飾が施されたアンティーク物のテーブルに小さな椅子、綺麗に整えられた植木と噴水、散乱された刺繍や編物、天外の付いた真っ白なベッド、ピンクの毛布にくるまる長い金髪の少女。
――――――…少女?
瑯は飛び起きると軽い足取りでベッドに近付き少女を覗き込んだ。少女はぐっすりと眠り込んでいるようで、瑯の気配にも起きる様子はない。
「本当…どこだよ、ここ」


廊下で仁王立ちになり、どちらの部屋を先に訪れようかと真剣に悩む璃緒を見つけ、大きな男がのしのしと近付き、耳打ちする。
「何…?…そう、準備が出来たの?早いわね、ご苦労様バルドス。」
「どういたしまして。んで姫さんは何してんだ?」
「二人に会いに行こうかと思ってたけど…止めたわ。」
璃緒は先に二人がいるはずの廊下にくるりと背を向け歩きだす。
その背にバルドスは声を投げた。
「んで、次の仕事は?」
「ラティを連れて行って。後、その辺の小姓に夕食場所を庭園に変更すると大使と皇子に伝えさせてちょうだい」
「はいよ」
じゃあね、と手を振り去る璃緒の背を見つめながらバルドスは絞りだす様に呟いた。
「姫さん…死ぬなよ……」
by 遊 水羽  at 19:16 |  GuildWorld -龍皇女婚譚- |  comment (0)  |   |  page top ↑

璃緒

・名前: 璃緒(あきお)=エルト=グラシア ♀
・年齢: 16(日記時。玖桜誘拐時:15 龍皇女婚譚時:17)
・身長: 158cm
・体重: 43kg
・髪/眼色: 漆黒/翡翠
・所属: なし(王族)、第一王女第2王位継承者
・一人称: 私(わたし・国交など形式的な場面ではわたくしの発音)
・呼称: 璃緒、エル、璃緒様、姫様、エリー(王家のみ)
・得意: 脱走、勉強は全般的に出来るが特に薬学、口喧嘩、チェス、可愛い物
・苦手: 揶矯、運動(護身術を習っているが人並み)
グラシア王国の王女。
璃緒が煌語(太陽神宗)でエルトがルクス語(月光神宗)。
最初は気高いイメージだったのに、いつの間にか脱走を繰り返す
かなり自由奔放で気が強い負けず嫌いなお姫様になってしまいました。
ちなみに"王族は国民によって生かされてる"ていう主張の人なので、国民をよりくらし易くする為に王族の仕事である公務や勉強を終えた後に脱走は行なっています。
たまに勉強もサボりますが。
元が頭が良い子なので、もう出来てつまらない授業はサボります。「だって時間の無駄じゃない!」
主に脱走するのは社交パーティーとか縁談とかです。
お姫様のくせにかなり砕けた喋り方です。もちろん公私で使い分けてます。
基本的に玖桜の方が余程丁寧に喋ります。
グラシア王国一の美人と評判で国民からの人気も高く愛されてる事を自覚はしていますが
小さい頃から権力目当てに近づいてくる人ばかりに囲まれていたので
愛のある結婚は出来ないと思っています。
もちろん王女なので貴族以上の身分の人としか結婚出来ないし、結婚にも政略が深く関わってきます。
そんな彼女の貴族に呈示する結婚条件は「私並みに美しく、私以上にチェスが強く、私の騎士より強い男なら喜んで嫁ぎますわ」。
ちなみにグラシア王国内で、璃緒にチェスで勝てる可能性があるのは深良と全、千隼、ハトラー、ナツメくらい。
揶矯の事を好きでした。でも今は家族に対する愛情に近いようです。
基本的に可愛いものが大好きで、玖桜激ラブ。
王族が玖桜を縛っていた引け目も少しあるので、玖桜には輪をかけて甘いです。
璃緒付きの女中のシラク・ラティは深良と女中頭シャシャが篩をかけた有能な女の子の中から璃緒が顔で選びました。
[外見]
可愛いというより綺麗な顔立ち。
普段は華やかに着飾るのも嫌いではないですが動きにくいのでいつもさっぱりとしたワンピースドレス+スパッツ。
黒髪は腰辺りまでで、三編みしたり下ろしたり。毛先だけ軽くパーマがかかってます。
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 ↑イメージ図(仮)


(最終更新08,09,30)
by 遊 水羽  at 19:13 |  設定 |  comment (0)  |   |  page top ↑

揶矯

・名前: 揶矯(やた)=ジギナール ♂
・年齢: 18(日記時。玖桜誘拐時:17 龍皇女婚譚時:19)
・身長: 175cm
・体重: 58kg
・髪/眼色: 白銀/氷蒼
・所属: 騎士ギルド,グラシア王国龍騎士団所属、騎士団隊長
・一人称: 俺(仕事中は私)
・呼称: 揶矯、ジグ、隊長
・得意: 剣技武術全般、剣舞、逃走した璃緒を見つけ出す事、甘い物
    璃緒・瑯(振り回されてても1番2人をコントロールできる自負はある)
・苦手: 騎士宿舎の共同大浴場、玖桜(人離れしてて掴めないらしい)、トーマ
璃緒様付きの護衛も兼ねてる騎士隊長(大佐の次格)。
平民出身で隊長格まで上り詰めた強者。民衆には"白の騎士""右翼の白爪"と呼ばれ親しまれています。
いつも瑯の悪戯や璃緒の我が侭や騎士隊のはっちゃけ振りに振り回されてます。
真面目なので相手しなきゃ良いのに相手をするのでいつも疲れてたり。
時々本気で怒りますがすぐ許しちゃう優しい子。
"一番美形でカッコイイ"が初期設定だったのですがいつの間にかヘタレの甘い物の大好きっ子になってます。
女顔なのがコンプレックス。鍛えているので今は細身でもがっしりした体格ですが、少年期は本当に可愛く小柄だったので女装が半端なく似合っていました。
その為、女中になって潜入捜査をしたりした事もあり、それが若干17歳で隊長になった由縁の一つでもあるのですが、本人曰く「人生の恥」らしいです。
ちなみに彼はミスコンで優勝してしまう程の美女っぷり。
そんな彼ですが剣の実力は確かなもので、一小隊を一人で軽々殲滅するくらいはわけなかったりします。
璃緒の事が好きですが、身分違いを分かっているので絶対に打ち明ける気もありませんし、璃緒から言い寄っても受け入れるつもりはありません。
いつも押しに弱いクセにそういうところは頑固。…というか意志が強いんです。
愛馬はジークフリート(愛称ジーク)という白馬で、騎士団・近衛兵が年に一度行う武芸大会で
10の時最年少で優勝して王様から頂いたもの。
瑯と出会うきっかけになった賢く勇ましい良馬です。
[外見]
女性と間違われる中性的な顔立ち。睫毛も長い。
柔らかいストレートの白銀髪で長さは首くらい。
私服はタンクトップやハイネックノースリーブが多く、装飾もゴツめの物を好んで着けています。
ズボンは騎士団支給の黒い物で、靴も軍用。
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 ↑イメージ図(仮)


(最終更新08,09,30)
by 遊 水羽  at 19:12 |  設定 |  comment (0)  |   |  page top ↑

玖桜

・名前: 玖桜(くおう)=フィナレイス ♀
・年齢: 15(日記時。玖桜誘拐時:14 龍皇女婚譚時:16)
・身長: 156cm
・体重: 39kg
・髪/眼色: 灰桃/褐色
・所属: 巫ギルド,太陽神派 (特例で盗賊ギルドにも所属)、現太陽神の神楽舞
・一人称: 私
・呼称: 玖桜、巫女様、玖桜様、フィン
・得意: 歌、舞、激辛料理、花、占い
・苦手: 狭い所、独り、椎茸、ぐにょぐにょしたもの
     龍の力のコントロール(不安定な精神状態だと暴走)
龍の力を持つ少女。龍神の力を宿して生まれ(20年に一度生まれる)、神官達に引き取られ神殿でずっと暮らしていました。
龍神の力として、生き物(動植物・人間)を従わせる事が出来ますが、激しい感情で扱うと上手くコントロール出来ません。まだまだ未熟。
その為に、コトーラル[調整者]として瑯が選ばれた。
14年間、神殿の外に出たことが無い為かなりの世間知らず。
普通に砂糖と塩を間違えます。
神殿に業務で来ていた璃緒に8歳の時に遭遇。以来神殿に来る度に遊ぶ仲になった。
また接する人も少なかった為、意思疎通・表示が苦手だったのですが、瑯達盗賊団員と暮らすようになって豊かに感情表現が出来るように。
作者としては書きやすくなって何より。
内心では普通の女の子と同様に砕けた口調ですが、人に対しては基本的に敬語。小さい頃から周りの神官が敬語で話しかけてきた影響かと。
舞踊で鍛えていたからか運動神経はかなり良く、よくお頭や瑯を驚かせます。
9歳の時に太陽神の巫女に選ばれる。舞の腕はかなりのものらしい。
ちなみに選ばれたのは龍神の力を持っていることとは何ら関係無く、実力。
見掛けによらず甘い物より辛い物が好き。
お酒はまだ巫ギルドにも属しているので飲まないです。
読書も運動も大好き。知らない事ばかりなので何でもやりたがります。
[外見]
肩までのふわふわウェーブ。
首の後ろだけ少し長くて、首右横で三編みにしています。
神殿に居たときは床に付きそうなくらい長かったです。
服装は基本白系を好んで着ます。
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 ↑イメージ図(仮)


(最終更新08,09,30)
by 遊 水羽  at 19:11 |  設定 |  comment (0)  |   |  page top ↑

・名前: 瑯(ろう) ♂
・年齢: 16(日記時。玖桜誘拐時:15 龍皇女婚譚時:17)
・身長: 168cm
・体重: 54kg
・髪/眼色: 焦茶/翡翠
・所属: 盗賊ギルド
・一人称: 俺
・呼称: 瑯、瑯坊
・得意: 指笛、木登り
・苦手: 玖桜、揶矯(良い人過ぎて大事なとこで強く出れないらしい)、お頭
     香りの強い花(本人曰く「何かむず痒くなる。」アレルギーではない)、甘いもの
盗賊ギルドの次期エースと期待されてる。でも本人に自覚はないようで、まだまだ詰めが甘いところも。
元気でいつもウズウズしてますが、実は結構な読書家さん。昼は遊んで夜は読書、がよくある彼の日常。新しい知識を得るのが好きなので、勉強も真面目にやります。
もちろん盗賊としての修行にも精を出しております。
壁登りや投剣、格闘技とかは好きで、どんどん上手くなるけど
鍵開けだけはなかなか上達しない。でも下手な訳ではないです。
生まれた時に捨てられ、それをお頭に拾われて育てられました。
因みに名前は生みの親が付けたものです。包まれていた産着に刺繍してあったとか。
捨て子な事に若干引け目があるものの、お頭の子供である事に誇りを持っている為、あまり世間や生みの親を恨んだりはしてません。その辺お頭の教育の賜物ですよね。
「俺の名前は瑯っダンテ=ドルトムハントが息子っ緋鷹の正当後継者だっ」
何者だっと聞かれると律義に答える彼ですが、盗賊ギルドのお頭は全メンバー投票制なので、正当後継者のくだりは嘘です。でもそうなりたいと思ってます。
揶矯とは10才の時に揶矯の愛馬ジークフリート(愛称ジーク)の蔵についていた袋から宝石を取ろうとして、逃げ切って以来の仲。
盗み自体は失敗したのですが、切り捨てよう(騎士は現行犯はその場で斬れる)としたのに、とうとう瑯が逃げ切ってしまい、その運動神経と格闘センスに揶矯が惚れ込み、以来週一くらいで剣を教えています。
ギルドでは最年少の為、皆に"瑯坊"などと可愛がられています。
唯一年下の錬にはいつもお兄ちゃん面をしようとしてますが、その度にペドなどにおちょくられて上手く様になりません。
いじられると全力で反応を返すので、皆更にいじります。いじりたおします。
玖桜には振り回されたり振り回したり。振り回される方が多いです。なんてったって彼女は歩く天然破壊兵器ですから。
褒めたり喜んだりすると割と反射的にキスしたり抱きついたり。感情表現は豊かです。
[外見]
左もみ上げが若干長い。割と可愛い系統に属する少年顔。
充実なポケットには緋鷹のバッチや刀剣などなど盗賊として必要最低限を詰め込んでます。
ズボンは伸縮の良い柔らか素材で肩紐付き。こちらもポケット充実。
肩紐は常に外してだらだらさせてます。
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 ↑イメージ図(仮)


(最終更新08,09,30)
by 遊 水羽  at 19:09 |  設定 |  comment (0)  |   |  page top ↑
プロフィール

Author:遊 水羽
+ゆとりのオリジナルキャラクター
瑯row 玖桜cou 揶矯yata 璃緒akio
の日記形式で展開します。
空飴風味本舗で描く本編とはまた違った瑯達の世界をお楽しみ下さいv
※キャラクター基本設定に変更はありません。
設定は国などをまとめ次第、空飴風味本舗にてUPさせて頂きます。


=言いたいことをぽつぽつと。=

いらした方はぜひ足跡残して下さいなv
コメント大歓迎です!どうぞゆとりに知恵を…!!

また字間違い等ありましたらご連絡下さいっ
ついでに遊がBLに走りそうだったらどうぞ止めてやってください。
ここだけの話、遊の脳内では最初揶矯×瑯の話でした。玖桜はオマケだったという…頑張れヒロイン笑

ゆとりは文才皆無ですので稚拙な文に不快になられる方は全力でこの場から逃げることをオススメします。

未だにキャラの口調が掴みきれてなかったりorz
日記形式ってのが分かり難いんだ←

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地道に本舗→別館と足を運んで下さい

更新は不定期になります。
文が完成したらこっそりと更新してます。

ではでは少しでも楽しんで頂ければ幸です(´v`*

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