神結月26日

「揶矯っ城下町に行きます。付き合って下さいません?」
朝も早くから窓を叩くのは誰かと思えば…俺の主人、璃緒様。
「璃緒様…王様の許可は頂いているんですか?」
もちろんもらっているはずもなく「いいえ」とにっこり笑って応えた。
「いけません。今日も午後からパーティーがあるはずでしょう?それまでにやらなければならない事がまだたくさん…」と俺は指折り数えていく。
「揶―矯。余計な事は考えなくてよろしい。一緒に来るか、黙って置いて行くか…どちらになさいます?」
俺の顔の前にピッと細い指を立てて魅惑的と名高い笑みを浮かべる。
もちろん俺には城に連れて戻るという選択もあったのだが、無理に連れて帰ると次はどんな危険な手で城下に出ようとするか分からないし、彼女の怒りを買った者達の末路を思うと…その選択はあり得ない。
そのまま押し切られとうとう付いて行くことに。視線の先で彼女の黒髪がリズムよく揺れていた。その髪を結わえている星形の髪留め。
…そういえば昨日シュナウザー家で星形の物が全て盗まれたと聞いた。更に昨日、璃緒様が数刻の間行方不明だったと女中達が騒いでいた。その後庭で発見され、本人は夜風に当たっていたとの事だが。
「…まさか…な」
まさか盗みはしていないだろうが、このやんちゃな姫君は確実に一人で城下町に出歩いている。それも女性が一人で出歩いて無事にすむとは言えない時間帯に。
俺は確信に限りなく違い疑念を抱き背筋に冷や汗を覚えた。
やはり王様に言われた通りに姫の護衛役をさせてもらおう。
by 遊 水羽  at 23:05 |  揶矯の日記 |  comment (0)  |   |  page top ↑

神結月25日

雪が凄い。昨日の夜は随分寒さが身に凍みたと思ったが…
「どうりで寒いわけだ」
例年稀に見る積雪らしい。外を歩くのも一苦労だ。早く掃除屋達に仕事を始めて欲しい。
そんな雪など全く気にせず…寧ろ大量の雪にはしゃぎながら…玖桜は走り回っている。
雪の上で軽やかにはしゃぐその姿は雪の精のようで…とか思ってしまう俺は相当キテると思う。
今日は玖桜と過ごす初めてのクリスマスだ。
去年はダンテ親方やペド達盗賊屋の皆と貴族の家からモミの木を盗んで、デコレーションして…。キルエおばさんが作ったケーキを皆で食べてたら揶矯が来たんだったかな。
騎士の揶矯が俺達と過ごすなんて、考えてみるとすっごく変だ。でも騎士寮にいると親父達に絡まれて身の危険を感じるからこっちの方が安らぐんだと。こっちだってケーキ投げ付けられたり落とし穴に掛かったり随分安らぎから遠い気がするけど。
…今年は来れるのかな?最近忙しそうで剣の稽古もご無沙汰だ。
「ろ―うっ瑯っ!この家であってる?」
「ん―?そうそう。その赤い屋根の家。」
目の前には俺達の今日の仕事場。金の亡者の巣窟。今年の俺の担当はツリーの飾りの星と玖桜のお守り。最近俺達の仕事を手伝う様になった玖桜だけど、その世間知らずから見事なヘマをやらかしてくれるのだが。まぁそれくらい俺が補佐するけど。
そんなふうにのんびり考えながら近づく間に玖桜が投げ縄を塀に引っ掛け、するすると登っていくのを見て、俺は急いで後に続く。巫の神楽舞をやっていた玖桜の運動能力はなかなかのもので、大抵の事は難なくこなすのにはお頭も舌を巻いていた。
「玖桜。俺の後にちゃんとついて来いよ?」
塀を乗り越え物陰に隠れ、屋敷の様子を伺いながら声を掛けると「ラジャッ」と元気で楽しそうな応答。いまいち不法侵入の緊張感のない彼女である。
「……玖桜…返事は……静かに。」
「…ラジャ」と玖桜は今度は小さな声で応えた。
そこから先は速い。これでも最年少A級盗人な俺は、軽く窓を開きスルリと侵入。まるでやる気の無い雇われ衛兵の視線をかいくぐり、無事に目当ての金色に輝く星を手に入れた。表面に細かい装飾がされた見事なものである。
星を大事に袋に入れて、さぁ帰ろうかと振り向くと「お星さまたくさん集まったよっ」と、照明の装飾やら壁飾りやらなんやらたくさんの星模様のあるものを両手いっぱいに抱えて玖桜が立っていた。
戻す時間も無く、達成感であまりに嬉しそうな玖桜の笑顔にも負け、結局全てを持って帰った。
目当ての物以外を奪うのは二流だっとお頭は怒ったけど全ての星がツリーの飾りとなった。
お頭も玖桜を怒ることができなかったからだと言うことは、言うまでもない。
俺は昔こっぴどく叱られたのだが…まぁ良いか。
その後は今年も同じくどんちゃん騒ぎで…。玖桜はあの後もずっと初めてのクリスマスツリーに興奮していたり、恒例のパイ投げで走り回ったりで疲れたようで一足先に夢の中で。まぁしょうがないか。
玖桜にクリスマスプレゼントを渡すのは明日にしよう。
by 遊 水羽  at 22:50 |  瑯の日記 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
プロフィール

Author:遊 水羽
+ゆとりのオリジナルキャラクター
瑯row 玖桜cou 揶矯yata 璃緒akio
の日記形式で展開します。
空飴風味本舗で描く本編とはまた違った瑯達の世界をお楽しみ下さいv
※キャラクター基本設定に変更はありません。
設定は国などをまとめ次第、空飴風味本舗にてUPさせて頂きます。


=言いたいことをぽつぽつと。=

いらした方はぜひ足跡残して下さいなv
コメント大歓迎です!どうぞゆとりに知恵を…!!

また字間違い等ありましたらご連絡下さいっ
ついでに遊がBLに走りそうだったらどうぞ止めてやってください。
ここだけの話、遊の脳内では最初揶矯×瑯の話でした。玖桜はオマケだったという…頑張れヒロイン笑

ゆとりは文才皆無ですので稚拙な文に不快になられる方は全力でこの場から逃げることをオススメします。

未だにキャラの口調が掴みきれてなかったりorz
日記形式ってのが分かり難いんだ←

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文が完成したらこっそりと更新してます。

ではでは少しでも楽しんで頂ければ幸です(´v`*

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